こんにちは!富士見麦酒醸造所の佐藤です♪今回は、いよいよ(というかやっと。。。?)ここ富士見麦酒醸造所での仕込みの流れを紹介したいと思います!少しだけ長いので。。。興味がある方は是非目を通していただけると嬉しいです^^


一般的な仕込み過程と、富士見麦酒醸造所での実際を比較しながら紹介します♪【ビール 醸造 方法】等で検索すると、沢山のサイトが出てくるので、ビール好きの方は知っているかもしれません。

①麦芽(モルト)の粉砕ミリング、とも言います。糖化を行いやすくするために、麦芽(モルト)を粉砕します。細かすぎてもつまりの原因となったり、あまりに粗くても糖化が思うように進まない。。。意外と大切な工程です!
当醸造所では、多いときで100キロにもなるモルトを、全て手作業で挽いてます。。。!


②糖化大きな鍋で先程挽いたモルトをお粥状にします!モルトを65℃〜70℃くらいのお湯に、60分ゆっくり浸けることで、モルトのデンプンを糖へと変える段階です。

③ろ過(ロータリング)モルトの殻が麦層というフィルターのような役目を果たし、麦汁という麦のジュースがとれます!この段階で取れた麦汁が、いわゆる『一番搾り』なんです!聞き馴染みのある一番搾りというワード。。。これだけを使ってるだなんて。。。贅沢。。。!
この段階ではまだまだ麦層中に糖が残っているので、更に上から熱湯をかけます。これが【スパージング】という工程です。当醸造所では、取れた麦汁の濃さを確認しながら、短くても90分、それ以上かけてスパージングを行っています。


④煮沸ろ過とスパージングでとれた麦汁を、グツグツと煮る工程です。ここでホップを入れることで、ビールに必要な苦味がつきます。また、煮沸には以下の4つの目的があります。・ホップと共に煮沸することにより、香りや苦味の付与、微生物汚染の防止、泡持ちの向上をもたらすポップ成分の抽出・スパージングでとれた希釈された麦汁を濃縮し、所定の濃度にすること(これがないと、アルコール度数が下がったり、想定していた味よりも薄くなったりします。)・加熱により、麦汁中の凝固性タンパク質を凝固させること・麦汁中に残る酵素を失活させると同時に麦汁の完全な殺菌を行うことどれも美味しいビールづくりには欠かせないポイントなので、煮沸はグラグラと激しく沸騰させます。
⑤ワールプールこの工程は、煮沸が終わった麦汁をワールプールタンクと呼ばれる円筒形の槽に勢いよく流し込み、その勢いでタンク中を麦汁が旋回することで渦ができ、煮沸でできた凝集物を真ん中に集めて取り除く、という工程です。当醸造所はそのタンクが無いので、手作業でぐるぐるかき混ぜて渦を作ってるんです!!!100℃の麦汁をかき混ぜるのでこれが意外と大変。。。


⑥冷却ワールプールで底に溜まった凝集物以外を、熱交換器を用いて発酵タンクに移します!冷却温度は、酵母の発酵温度帯である20℃に下げます。


⑦発酵20度まで下がった麦汁に酵母を入れると、酵母はブドウ糖→麦芽糖の順で糖を食べていきます。酵母は糖を食べると、アルコールと炭酸ガスを排出するので、この段階で【若ビール】と呼ばれるものになります。酵母は入れれば良い!というものでもなく、少ないと発酵が遅れて香味のバランスが崩れてしまい、過剰に入れてもビールの味を損なってしまうんです!難しいですね。。。


⑧熟成発酵が終わると麦汁の温度を0℃近くまで下げ、酵母の活動を停止させ、熟成過程に入ります。当醸造所で作っているビールは全て上面発酵ビール(エールビール)なので、熟成期間は約1週間です。この間に酵母は完全に活動が停止したわけではなく、少しずつ発酵し、ビールは炭酸ガスを蓄えるとともにまろやかな味わいに仕上がっていきます。
最後に、発酵で生まれたガスだけでは弱いのでガスが添加され、皆さんに提供できるビールとなり完成します!
①〜⑧で約25〜30日ほど!富士見麦酒醸造所では、常に新鮮なビールを皆さんにご提供するため、月に2〜3度、3種のビールを順番に仕込んでいます!


長くなりましたが、ビールづくりの流れに興味を持っていただけたら嬉しいです!お隣の鶴瀬クラフトダイニングにお越しの際は、是非覗いてみてくださいね♪